司法書士法人みずほ総合法務事務所|岐阜・愛知・三重
相続とは、ある人(被相続人)が死亡した場合、そのものに属していた一切の財産的権利義務が、その者の親族の中の一定の者(相続人)に当然に承継されることをいいます。
また、失踪宣告を受けた人は死亡したものとみなされますので、死亡した場合と同様に相続が開始します。
相続は被相続人が死亡した瞬間から自動的に開始されます。
相続人が被相続人の死亡の事実を知らなくても、被相続人の死亡によって相続は開始され、財産に属する一切の権利義務は相続人に移ります。
名義変更などは事後の手続きでしかありません。
権利義務の承継は、被相続人が死亡した瞬間に開始・成立しているのです。
死亡届は、死亡の事実を知つた日から7日以内に死亡診断書を添付して市区町村長へ提出します(戸籍法86条)。
(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から3か月以内)
手数料は不要です。
行方不明は失踪宣告により相続が開始します。失踪宣告とは、生死不明の者を民法上で死亡したものとして取り扱う制度です。
死んだか生きているか分らないでは周囲が迷惑することになります。そこで他の関係者の利害を中ぶらりんにしておくことを避ける制度が必要になります。それが失踪宣告の制度です。失踪宣告は家庭裁判所がする審判です。この審判は利害関係人の請求によって行われます。失踪宣告によって失踪者は死亡したものとみなされ、配偶者関係も終了(別の人と結婚してよい)するし、相続が開始することになります。
失踪宣告は次の場合に認められます。
@不在者の生死が7年間不明の時
A戦地に行ったり、沈没した船舶に乗船していたり、
その他死亡の原因となる危難の去った後1年間不明のとき
失踪宣告の手続き
利害関係人(不在者の配偶者、父母、相続人)が、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。
家庭裁判所は調査を行った上で、失踪に関する届出の公示催告をします。
不在者本人、利害関係人による取消し(即時抗告)がなければ、失踪宣告は確定します。
不在者は上記@の場合は失踪期間満了の時、Aの場合は危難の去った時に死亡したものとみなされ、その時点で相続が開始したことになります。